授業中の落書きは悪いことか? 創造性と集中力の意外な関係
授業中にノートの端に落書きをする学生は多いですが、教師や親からは「集中していない証拠」として否定的に見られることが多いです。しかし、近年の研究では、落書きが必ずしも悪い習慣ではなく、創造性や集中力を高める可能性があることが示されています。今回は落書きと脳の働きの関係について、心理学的・生理学的な観点から考察します。
落書きとは何か?
落書き(doodling)は、目的のない線や形を描く行為であり、多くの場合、意識的ではなく無意識に行われます。一般的な落書きの例には以下のようなものがあります。
- 人物や動物のイラスト
- 繰り返し描かれるシンボルやパターン
落書きと集中力の関係
単調な作業中の注意力維持
2009年にプリマス大学のジャッキー・アンドラーデ博士が行った研究では、落書きをしながら退屈な音声を聞いた人の方が、落書きをしなかった人よりも情報をよく覚えていたことが報告されました。これは、落書きが脳を適度に刺激し、注意を維持するのに役立つ可能性があると考えられています。
脳の活動と落書き
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落書きをすることで、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」が活性化し、無意識下で情報処理が進む。
*「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」とはデフォルトモードネットワークとは、脳が主体的に物事を考え、情報処理や判断を行う働き(タスクポジティブな状態)を“休ませる神経活動”のこと。 ごく簡単に言えば、思考はストップしていて、どこにも注意が向いておらず、興味関心を持たない安静した脳の状態です。
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落書きをすることで、余計な雑念を減らし、情報の定着を助ける可能性がある。
落書きと創造性の関係
右脳の活性化
落書きは、主に創造的思考をつかさどる右脳の活動を促進します。自由な線や形を描くことで、発想力が刺激され、新しいアイデアが生まれやすくなります。
リラックス効果
落書きをすることでリラックス効果が得られ、ストレスやプレッシャーを軽減し、創造的な思考がしやすくなります。特に試験前や長時間の授業中に適度な落書きをすることで、精神的な負担を軽減できる可能性があります。
落書きの適切な活用方法
ノートの余白を活用する
本文と混ざらないように余白に描くことで、整理されたノート作りが可能。
関連するイメージを描く
授業内容に関連した図やアイコンを描くことで、記憶の定着を助ける。
適度に行う
あまりにも熱中しすぎると、本来の学習内容から注意が逸れてしまうため、バランスが重要。
落書きは集中力に役立つが注意も必要
授業中の落書きは、一見すると集中していないように見えますが、実際には注意力の維持や創造性の向上に役立つ可能性があります。ただし、落書きのやりすぎが逆効果になる場合もあるため、適切なバランスを保つことが重要です。自分にとって最適な学習方法を見つけることが、より良い学びへとつながるでしょう。

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